ハイパー神社
ハイパー神社は15種類のデジタル拡張子(jpg, png, gif, mov, xls, zip, pdf, html, ppt, obj, doc, mp3, svg, txt, exe)を神格化し、キャラクター化したNFTシリーズです。購入者はweb上にデジタル拡張子のカミを祀り、オリジナルの神社を作ることができます。キャラクターは参拝数に応じてさまざまな容姿に進化します。 「ハイパー神社」は日本・アジア文化において「アニミズム/八百万の精神」の一言で片付けられてしまう思想の根幹をより深くまで紐解き、現代において「カミ」となりえるデジタル拡張子のキャラクター化を行うプロジェクトです。 多様なキャラクターの博物学的バリエーション、形が変化すること、目に見えないものを崇拝すること。これらは自然崇拝的な土着神道とインド・ヴェーダの宗教から形を変えて日本に入った仏教が混じり合う日本独特の宗教観であり、さまざまな自然神、妖怪や密教仏などの歴史を経て、現代におけるキャラクターカルチャーまで脈々と続いている美学です。その文化は「見えざるものをいかに可視化するか」という「依代」の美学とも言えます。 このプロジェクトは宗教そのものではなく、「宗教をモチーフとして解体、再解釈した美術作品」として制作しています。ハイパー神社の所有者はそれぞれが神主を演じ、自分の神殿を他者にオンラインで解放することになります。 2024年にリリース予定の2Dメタバース「ハイパー神社 (祭)」では、NFTとして手に入れたカミをアバターとして、メタバース上で互いに「ケガレ」を感染させ合い、複数の祝いや呪いを収集するオンライン空間を構想しています。2019年のコロナ禍において我々の心に何が起こったのかをもう一度考え直すためのプロジェクトになる予定です。 2025年には、香川県・直島にインスタレーション作品「リアルハイパー神社」を制作予定です。「(デジタルを含む)自然崇拝」を現代から捉え直し、見えないものを祀る「祭壇」について再考するためのプロジェクトです。 ハイパー神社ウェブ: https://hypershrine.transformart.xyz/ アーティストTwitter: https://twitter.com/_takakurakazuki Hyper Shrine is an NFT series that deifies and characterizes 15 types of digital extensions (jpg, png, gif, mov, xls, zip, pdf, html, ppt, obj, doc, mp3, svg, txt, exe). Purchasers can enshrine these digital Kami on the web and create their original shrines. The characters evolve into various appearances based on the number of visits they receive. "Hyper Shrine" delves deeper into the core of the ideology often simplified as "Animism/Shinto of myriad spirits" in Japanese and Asian culture, characterizing digital extensions that can become "Kami" in the modern era. The project explores the museological variation of diverse characters, their transformation, and the worship of the invisible. This reflects a uniquely Japanese religious view, merging native Shinto worship of nature with the transformed Buddhism from India and the Vedic religions, through histories of various nature deities, yokai, and esoteric Buddhas, to the modern character culture. This aesthetic has been continuously connected to the culture of "how to visualize the invisible," also described as the aesthetics of "Yorishiro" (objects capable of attracting spirits). This project is not a religion per se but is created as an artwork that deconstructs and reinterprets religion as a motif. Owners of a Hyper Shrine act as priests, opening their temples to others online. In the planned 2D metaverse "Hyper Shrine -MATSURI-", set for release in 2024, Kami obtained as NFTs serve as avatars, allowing users to infect each other with "KEGARE" in the metaverse, envisioning an online space where multiple KEGARE are collected. This is intended to prompt a reevaluation of what happened to our psyche during the COVID-19 pandemic in 2019. By 2025, an installation piece "Real Hyper Shrine" is scheduled to be created in Naoshima, Kagawa Prefecture. This project aims to reinterpret "(natural, including digital) nature worship" from a modern perspective and reconsider the "altar" for worshiping the invisible. Hyper Shrine Web: https://hypershrine.transformart.xyz/ Artist Twitter: https://twitter.com/_takakurakazuki
ARTISTたかくらかずき
1987 年、山梨県出身。2012年東京造形大学大学院修士課程修了。 3DCG やピクセルアニメーション、3D プリント、 VR、AI、NFT などのテクノロジーを使用し、東洋思想による現代美術のルール書き換えとデジタルデータの新たな価値 追求をテーマに作品を制作している。 現在はおもに日本仏教をコンセプトに作品制作を行う。京都芸術大学非常勤 講師。opensea で NFT シリーズ「BUDDHA VERSE」を展開中。
CURATOR後藤 繁雄
大阪府生まれ。編集者、クリエイティブディレクター、アートプロデューサー、京都芸術大学教授。「独特編集」をモットーに、 写真集、アートブックを数多く制作。坂本龍一、荒木経惟、篠山紀信、蜷川実花などの本を手がける。『エスクァイア日本版』『high fashion』『花椿』などの媒体でのアーティストインタビューは1,000人以上に及ぶ。自身主宰のG/P galleryは、アムステルダムのUnseen Photo Fairをはじめとする数々の国際写真アートフェアに出展し、横田大輔、細倉真弓などの優れた若手写真家たちを世界に輩出した。近年の著書に『超写真論:篠山紀信写真力の秘密』『現代写真アート原論』(港千尋、深川雅文との共著)『アート戦略2 アートの秘密を説きあかす』など。